音楽の本質

2013.02.28 Thursday 23:19 [-]

どうもこんにちは。
学生ブログ2回目となります。テノール新2年の鈴木雅人です。

去る2013年2月23日(土)。甚五郎にて春合宿コンサートがありました。
そこで、今回はその感想を書かせていただきます。



この春合宿コンサートを通じて私は、「音楽の本質」というものが、少しだけ、今までよりも見えたような気がします。

合宿前のレッスンで、マエストロがこのようなことを仰っていました。
「演奏家の役割とは、『音楽』発、『自分』経由、『お客さん』行きの演奏をすることだ。」
作曲家が作り上げてきた『音楽』を感じとり、それを『自分』の身体を通して、『お客さん』に届けること決して『自分』発、『自分』経由、『自分』行きの音楽をするなと、そう仰ってくださいました。

その時は、「なるほどなぁ」としか感じることができなかったのですが、この春合宿コンサートで、その意味をはっきりと感じることができました。
そのように1番感じさせてくれたのは、我々1年ソロの演奏でした。
本番のコンサートで演奏しているのは、確かに今まで一緒にやってきた仲間たちなんだけれども、
聴こえてくる音楽は、そうではなかった。
偉大な作曲家たちの音楽が、俺には聴こえてきました。
そこには、彼らの存在がありました。
でもやっぱり演奏しているのはみんなで、そんなみんなの性格というか、みんならしさがその音楽の中にあって

だから本当に良い演奏だったと思います。みんなの演奏が、私には本当に素晴らしいものでした。



上級生のオペラも良かった。

どの曲もそれぞれ色々な良さがあったけれど、なかでも「フィガロの結婚」第3幕 第2場No.17 Duettinoと、「ドン・ジョヴァンニ」第1幕 第3場No.2 Duettinoが、どうしても心の中で忘れられない。

いやでもモーツァルトさんは素晴らしいな。
コンテがスザンナに「Crudel!」って言い寄るNo.17のところの伴奏!あの性欲があふれ出る感じ!
そしてその後の小二重唱。
あそこまでエロースを表現させられる彼の巧みさ。
彼が女性にモテモテだったっていうのもうなずけます。

そしてコンテを演じられたバス2年のりんださんは、そのエロースを表現されていました。良い意味でエロかったです(笑)
スザンナを演じられたソプラノ2年の北口さんも、誘惑するようなしゃべり方が上手くて、とても良かったです。


だけどモーツァルトさんはそれだけじゃない。「ド ン・ジョヴァンニ」のNo.2の音楽は、また違った素晴らしさがありました。
ピアノ伴奏が余計にそう感じさせたのかもしれません。
今あれを思い出しても、何とも言えない興奮と、ゾクゾクってする感覚に襲われます。



そろそろ自分の話をしましょう。
皆さんの演奏でこんな風に感じていた私ですが、自分の演奏ではそれが出来なかったかなぁと感じています。
私が演奏した曲は、レスピーギさんの「Invito alla danza」。
演奏する前に、レスピーギさんの音楽をお客さんに感じてもらえるようコンセントレーションを作り上げていたけれど、自分の2つ前の演奏、テノールの清野の演奏で、ブラヴォーをもらっていたのを聞いて、自分のコンセントレーションが乱れてしまった。
レッスンの時から、何度もマエストロに「上手くやろうとするな」って言われていたのに、「自分もブラヴォーをもらえるような演奏をやらなきゃ」って、上手くやろうとしてしまった。
だから身体に変な力を入れてしまって、ちゃんと出すことが出来なかった。
自分はイタリア紳士だ!って思いながら出て行ったけれども、歌っているときには、「自分」になっていたと思う。
最後ではひざが震えていたし、 自分の中で色んな焦りが巡り巡って・・・

とても『音楽』発、『自分』経由、『お客さん』行きの演奏ではなかった。
『自分』発、『音楽』経由、『自分』行き
もしくは、『音楽』発、『自分』経由、『自分』行きの演奏だった。


なぜこうなってしまうのか、それは私のプライドの問題だと思います。
小学5年から合唱団に入って歌ってきて、その中でも選抜隊やソロに選ばれたことが多かった。
だから、「上手く歌わなきゃ」って思いが、自分の中にはあるんだと思います。

プライドを持つことは悪いことではないとは思うけれども、少なくとも今のままでは、それは悪影響にしかならない。


もう1つ、マエストロに指摘されたことは、歌うときに首を前に出す癖。
伝えよう、伝えよう。表現しよう、表現しよう。って思いが強くなって、いつのまにかそういう癖がついてしまっていた。



だから、私の課題は2つ。
『音楽』発、『自分』経由、『お客さん』行きの演奏をすること。
そして、首を出さないこと。

この2つを克服するには相当努力しないといけないと感じているけれども、もっと音楽を知りたいから、もっと音楽の本質を感じられるようにしたいから、
だから、今後も努力していきたいと思います。



最後になりますが、この春合宿コンサートを通じて、なんとなく「音楽の本質」というものを、ほんの少しだけ見ることが出来たと感じています。
『音楽』発、『自分』経由、『お客さん』行きの演奏が、どれほどお客さんを感動させられるのか、それを感じることが出来ました。
そしてもう1つ、
「やっぱり音楽って、楽しいな。」

 
私にとって、本当に貴重な経験でした。
このような機会を与えてくださった、すべての方に感謝です。

本当に、ありがとうございました。
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